土味

 釉薬ものは連戦連敗。上手くいかないとうなだれていると、窯場の外に転がしていた備前の壺が雨に濡れていて、その土肌があまりにもきれいで、思わずハッとなりました。自分でいうのもなんですが、これはすごく良く焼けていると思います。薪窯で焼くというと窯変や灰かぶりがクローズアップされますが、僕は地の部分、土味がすごく大事だと思っています。土を焼き抜くことで出てくる土肌です。(もちろん自然釉の色や質感にはこだわりはあります。それはまた後日。)

 

 釉薬ものはそんなに簡単じゃない。でもこの備前の焼けもそんなに簡単じゃなかった。晴れた日に備前の壺を濡らして転がしてみたけど、それはやっぱりきれいでした。