
今から17年前、備前陶芸センターを出てから作った窯です。耐火レンガもない、斜面もない、あるのは何とかしてやきものを焼きたという思いだけ。当時は土窯で焼けば、いいやきものになるという思いがあり、来る日も来る日もショベルで地面に穴を掘り、掘った土で窯の天井を作りました。焚口と棚組みはレンガを使いましたが、ほとんど土でできています。地面に穴を掘っているので、当然雨が降れば水が溜まります。溜まった水を排水ポンプで汲み上げて・・・。もう無茶苦茶な窯です。窯づくりの職人さんから見れば笑ってしまうようなもの。結果は、1000℃くらいで燃焼室(薪を入れるところ)の天井が落ちて終了。これが初窯。どれぐらい土がおちるのか、火はおさまるのか、本当に不安でドキドキしたのを憶えています。
この後レンガの穴窯をづくりを手伝いに行って、その後自分の窯を作りました。今の窯です。全部地面に埋まっているので天井も落ちることなく(普通は落ちません)、1300℃の火にも耐える丈夫な窯です。
この写真の頃とは、自分もまわりもいろんなことが変わりましたが、今もこの時の情熱があるかって、自分に問いかけています。